34歳の時にアスペルガー症候群と診断された女性。
今までしてきた仕事の中で、設計の仕事が一番辛かったとの事。
原因は設計の仕事なら人と話さなくても良い・・・というご自身の思いこみとリサーチ不足が原因だったと仰っています。
設計事務所の仕事は自閉症スペクトラムには難しい
設計事務所での給与は福利厚生なしで14万程度。
転職した理由は、設計なら人と話さなくて図面ばかり引いていればいいという私の思い込みとリサーチ不足が主な原因です。
自転車→満員電車→自転車という通勤がつらかったのと、施主との打ち合わせや電話対応、現場への指示、役所へ許可をもらいに行くといった私の最も苦手とすることが折り重なり、さらに時間が不規則で、土曜も出勤だったことから精神的にも肉体的にも追い詰められて行きました。
なかなか理解してもらいにくいのですが、通勤がつらいと感じる自閉症スペクトラムは少なくありません。
また、打ち合わせや電話対応というような人と会話をするという事は難しいと感じる事が多く、また不規則な時間はASDの得意とするルーティンワークとは異なるため、心身ともに疲れていたのでしょう。
発達障害で一番長く続いた仕事は建設ブローカー会社の事務
その後、今度は福利厚生のある会社に勤めました。給与は月14万円程度。
続いた理由をお伺いすると・・・
- 家から近くお昼ご飯を家に食べに帰れたこと
- 事務所からほとんど外に出ることはなく毎日同じような仕事を淡々とこなせばよかったこと
- 責任のある仕事はほぼなく、上司の指示だけを聞けばよかったこと
- 現場で問題が起こった時は忙しいけど、普段は暇なこと
- 事務員は他にやさしい経理の人1人だけで、人間関係が楽だったこと
- 上司はほ外回りばかりでほとんど事務所にいなかったこと
- 規則正しい生活がおくれたこと
- 土曜日が休みだったこと
色々な条件が上手く合うと発達障害を抱えていても続ける事が出来るのです。
そして最後に・・・
「どのような職場環境なら発達障害でもスムーズに仕事が出来ると思いますか?」
自分の苦手を知ってそれをなるべく排除できる環境。
私は電話対応が苦手ですが、それ以外の環境が整っていればたまにかかってくる電話に出ることはなんとかできました。
しかし、他のどんな環境が整っていても、満員電車で通勤する必要があったらダメだったでしょう。
私の場合は家から近く、規則正しく、ルール化されていて、休みがしっかりあり、やさしい人ばかりの小さな職場。という条件で長く働くことができました。
残念ながら社長が病気で倒れてしまい、後継者がいなくて会社自体がなくなってしまいました。そして同じような好条件の職場は見つかっていません。
電話の対応が苦手なアスペルガー症候群ですが、仕事が辛いと感じる問題はそれだけではありません。
また同じ発達障害でも辛いと感じる事は人それぞれなのです。
これから理想とする良い条件の職場が少しでも早く見つかる事を願っています!